2012 3/16

活動日:3月10・11日

参加者:寿松木宏毅、三浦賢翁、柴田和明、佐々木孝洋、新川泰道(以上、当会会員)
久米弘道会長他、秋田県曹洞宗青年会会員、総勢24名
活動内容:東日本大震災一周忌法要への随喜、参列者へのおしるこサービス、キャンドルセレモニー等

去る3月5・6日に能代市・北秋田市で作成された追悼のキャンドル約400個を携え、東日本大震災からちょうど一年となる3月11日に行われる一周忌法要に参加してまいりました。

10日、県内各地より大槌町吉祥寺様に集合、午後4時からの震災犠牲者一周忌・逮夜法要に随喜、同時進行で山門前の石段に「祈 3.11」の文字をキャンドルで描きながら設置。
先日のキャンドル作りにご参加いただいた方々も含む地元の方々も徐々に見えられ、5:30頃キャンドルに点火、「祈 3.11」の文字が夕暮れに浮かび上がる。
亡き人を思ってか、しばしの間キャンドルの灯りに見入っている方も多く見受けられた。
午後6:30頃に撤収して宿に向かい夕食、翌日に備えて就寝。

吉祥寺キャンドルセレモニー 旅行中に被災した五城目町の方々から届けられた手作りの灯ろう 祈 3.11 山門前にて

11日、この日は沿岸部としては珍しいほどの大雪。一年前の震災直後の雪景色が思い出される。
午前中は3ヶ寺にそれぞれ分かれての法要参加となる。

大槌町:吉祥寺

北海道、岩手、千葉、長野、愛知、秋田等各方面から合計21名の随喜。
秋田からは7名の随喜。
大梵鐘十八声から10時法要開始。
位牌点眼供養、大槌町長・護持会長・吉里吉里中学校生徒代表の3名の式辞から読経、12時終了。

一年前と同様、雪がちらつく大変寒いこの日、本堂、屋外共に法要前から遺族関係者が参列し、あらためてこの未曾有の震災で亡くなった方の多さ
と被害の甚大さを感じる。
須弥壇上には、未だ身元不明の数十の遺骨が並び、回向中静かに方丈様が読み込む。
読経中の絶え間ない焼香、涙する遺族、決して忘れてはならないこの日、方丈様は法要の後、遺族に対し残された命を大切に生きていくことがご供養であると伝えられた。
終了の後、方丈様が自ら一本一本手渡しで、故人様の塔婆を遺族に渡された。
吉祥寺 追悼法要

釜石市:常楽寺

常楽寺様は本堂自体は残ったものの、波の勢いで建物が傾き、二月にようやく取り壊しが終わったとのこと。
11時近くになると続々と出席者が参集。方丈様、岩手曹青から2名、我々と9名で読経。
焼香者は約250名、若い方が多いのに驚いた。続いて奇跡的に残された大梵鐘(鐘楼堂は仮設)を突く。参加者にも全員で突いていただく。
常楽寺様はこれから本堂再建に入るとのこと。場所は以前本堂のあった場所より、さらに山の上手。自衛隊が土葬用に山を削って切り開いた場所。幸い、土葬は行われなかった為、そちらの場所に再建の予定だそうです。
1日も早い再建を願います。

大槌町:江岸寺

全曹青、いずも曹青と共に秋田からは久米会長以下6名で随喜。
津波で本堂が全壊のためプレハブの仮本堂と屋外の供養塔前の二ヶ所で同時に読経開始。
まず仮本堂で、新たに建立する仏像に参列者全員焼香し、ノミを入れ、外の供養塔前にて読経(導師:寿松木師)、犠牲者読み込みをし、焼香して頂いた。
350人前後の参列者があり、皆真摯に手を合わせ、厳かに犠牲者の冥福を祈った。
その後、雪のちらつく中、法華太鼓を先頭に赤浜海岸まで40分ほど行脚した。
周りの建物は流されており、崩れたビルに反響する太鼓の音がもの悲しさを増した。

仏像にノミ入れ 大槌町・江岸寺様での一周忌法は 仮本堂と屋外での読経となりました。 ブルーシートの上での法要 参列者焼香 壊滅した墓地 雪が降る 行脚〜海岸諷経 行脚〜海岸諷経

山田町:龍泉寺

午前中の3ヶ寺から、午後は山田町へ。
2時40分打ち出し。導師上殿後、2時46分のサイレンを合図に、一分程全員で黙祷。
黙祷の後、施食法要。法堂にスペースが無いほど、沢山の参列者の方々がみえられた。
法要中、合掌を崩すことなく祈りを捧げる参列者の方々。
「遠路私達のため、犠牲になった沢山の命のために来て下さり、どうもありがとうございました。」というありがたいお言葉を参列者の方からいただいた。

法要終了後、蒼龍寺・佐藤堅明師を中心に、温かいおしるこを参列者の皆様に提供。
同時に、法要前に山門前スペースに設置したキャンドル文字「祈 3・11」に点燭。
山門から見下ろす場所に、夕暮れに灯るキャンドルが揺らめく。参列者も足を止めて見入っている様子。この時も、去る29日に現地にてキャンドル作りを行った方々が多くいらっしゃった。自らの手でキャンドルの列に加える時の思いは、如何ばかりだったろうか。

法要参列者以外の通行人も、キャンドルが目に留まり立ち寄ってくれた。

「のしろ白神ネットワーク」様による、秋田スギのキャンドル台を参列者におみやげとして提供、特に子ども達に人気であった。

龍泉寺震災物故者一周忌法要 龍泉寺キャンドルセレモニー 秋田スギのキャンドル台プレゼント(提供:のしろ白神ネットワーク) 龍泉寺にて

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秋田からお届けしたキャンドルに託された皆様の追悼・鎮魂の思いは、必ずや現地の方々に届いたものと思われます。
キャンドル作りにご参加いただいた皆様、ローソク・ガラスビンの提供や収集にご協力いただいた皆様、あらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。

※今回の活動に際して、佐藤俊晃様(北秋田市七日市)より多額のご寄付をお寄せいただきました。重ねて御礼申し上げます。