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3月3日(日)、当会の令和6年度総会ならびにセミナーを行いました。

今回のセミナーは「能登半島地震支援活動報告会」と題して、1月・2月と二度にわたって能登半島地震で被災した地域にて「きりたんぽ鍋」の炊き出し活動と現地事情について、代表の新川から報告いたしました。

今回の能登半島地震は死者数や被害家屋の軒数だけを見ても、阪神淡路大震災、東日本大震災は別格としても平成以降では屈指の被害規模、しかも半島特有の地理的条件とアクセスの困難さ、冬の寒さと雪、度重なる余震、道路の損壊や土砂崩れによる通行止め、長引く断水など悪条件が重なる困窮度合いの高い災害で、マンパワー不足も著しく被災住民の苦悩は想像を絶します。
たしかに秋田から能登は遠く移動時間もかかり、現地入りにも躊躇しましたが昨年の秋田豪雨災害で県外から多くの団体に助けられたこと、そしてその団体の多くが今は能登の最前線で奮闘しており、恩返し・恩送りの意味でも微力ながら彼らの下支えに…との思いから、「きりたんぽ鍋」炊き出しを二度敢行しました。

比内地鶏や白神ねぎ、藤里町産のマイタケ・セリ、白神山水など、こだわりの秋田産食材を揃え1月24日に秋田を出発、「最強寒波」襲来の中、時折雪と強風に見舞われ富山県高岡市に到着、宿泊。
翌朝は氷見市(同市も今回の地震で建物被害が甚大ながら多くの商店が通常営業)にて給油と最終の買い出しを経て石川県へ。七尾市街から徐々に、地震の爪痕が感じられる倒壊した建物が視界に飛び込んできます。
道路の亀裂や崩壊は応急処置済みとはいえ、段差を避け慎重に運転、輪島市門前町に到着。
17年前の能登半島地震から復興した、同地の象徴である「総持寺祖院」は前回の地震より更に大きな被害で、見るも無惨な姿に…。関係者の無念さは如何ばかりでしょうか。
事前からシャンティ国際ボランティア会(昨年は秋田で長期活動)と連携・調整、約80名が滞在中の近くの避難所へ。更に40食を近所の特養スタッフの夕食にお届け。

大人数向けの炊き出しとして、きりたんぽは決してコスパのいいメニューとは言えませんが、一つの器で主食とおかず、汁物を兼ねられ、断水中のため洗い物やゴミを極力出さない点、また地方色を出し、メニューにバリエーションをつけられる(各種団体も工夫を凝らしているものの、類似しがちとのこと)点、昨年の秋田豪雨災害では、県外から多くの団体に秋田県も大いに助けてもらったことから、秋田からの恩返し・恩送りの印に…という思いからのメニュー選定です。
味が濃い、大盛りで渡されても高齢者は食べきれず、残すのも申し訳ないとの声もあり、秋田県民としては少々物足りない?薄めの味付けながら「おいしかった」「地鶏のダシがイイね!」「きりたんぽは初めて食べた。今度秋田にも行きたい」との感想も寄せられ、汁もほとんどの方が残さず召し上がっていただきました。

二度目の実施は2月20日、同じく門前町へ、中学校の避難所では200食、翌日は能登町のOPEN JAPANのベースをお借りして下ごしらえ、3ヶ所で150食のきりたんぽとカップ入りいぶりがっこ、平鹿のりんごを提供、概ね好評をいただきました。

今回、合計350食分のきりたんぽと比内地鶏を無償提供いただいた伊徳様はじめ、多くの食材を無償または格安にてご提供の皆様に、あらためて深く感謝申し上げます。

後半では、シャンティ国際ボランティア会が門前町の孤立集落向けに行っている「入浴・買い物支援タクシー」の様子を記録した動画をご覧いただき、厳しい現地事情に理解を深めていただきました。
映像では「38日ぶりにお風呂入った!」と喜びの声を上げる男性も…
https://www.youtube.com/watch?v=UY3UVMhTkvk

また長期にわたり現地滞在して活動中のシャンティ国際ボランティア会・茅野俊幸副会長より、長引く断水に伴う苦労や孤立集落の問題、また今月には金沢市や加賀市などに二次避難中の被災者が地元に戻ってくることへの苦慮、門前町の名物でもある「雪割草」にちなんだ復興イベントを計画中であることなど、貴重な情報をオンラインでお話しいただきました。
冬の日本海側で起きた大規模災害、秋田県の人間としても人ごととは思えません。引き続き状況を注視し、可能な限りの支援を続けてまいりたいと存じます。

報告会に引き続き、当会の令和6年度総会が行われ、昨年開催の「結成31周年記念公開講座」などの事業報告と決算報告、今年度の事業計画と予算案が協議され、ご承認をいただきました。

本年も当会の活動にご参加ご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

2022 7/15
ビハーラセミナー
「成年後見制度の理解と活用について ~自分らしい人生を送るために~」

講師:石岡 和志 先生(秋田県社会福祉士会)

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この一週間ほど、秋田県内でも“第7波”とも言われる新型コロナの新規陽性者が急増という最中ではありましたが、標記のテーマでビハーラセミナーが行われました。
少子高齢化や独居者の増加などにより、医療や福祉の現場で、またお葬式やお墓など“死後”の問題に至るまで、高齢者や障害者の意志や尊厳、権利をどのように保っていくかが課題となっています。そこで近年、その重要性が高まっている「成年後見制度」についてお話を伺いました。295675107_5321163811308925_2822238443512926615_n介護保険制度が制定されて以降、福祉や介護の現場では「本人の自己決定」や「契約」という要素が求められるようになりました。しかし年を取り、病気や障害を抱えると誰もが妥当な選択や意志決定ができるとは限りません。
そこで本人の判断能力の衰退に応じて、自立した生活を送れるよう援助する様々な制度があります。
「日常生活自立支援事業」もその一つで、本人に契約能力があるがもの忘れがあったり金銭管理に難ありという方向けに、各市町村の社会福祉協議会(以下、社協)との契約で行うものです。
日常的な金銭管理や通帳、印鑑など大切な書類の預かり、福祉サービスの利用手続きなどの生活支援業務です。
そこから更に、認知症高齢者や知的・精神障害のある方など判断能力を著しく、または常態的に欠く場合には「成年後見制度」の申し立てができます。
申し立てができるのは「本人・配偶者・四親等以内の親族・検察官・市町村長等」、近年増加しているのは市町村長、つまりは行政の手による場合が多いようです。
秋田県は全国的に見て成年後見制度の申し立てが少ないようで、これは当地でも見られることですが近くの親戚やご近所さんが身の回りのお世話をしてあげることで、独居の高齢者でも自立した生活をどうにか維持しているというケースが多いものと思われます。しかし人口減少による“地域力”の減退は明らかで、独居高齢者は増加傾向にあり、従来通りのご近所での助け合いが保たれる保証はありません。
一部の人間に負担が集中しないような、社協さんなどによる「法人後見」のような仕組み作りが今後はより必要性を増すことを、あらためて実感するお話でした。
後半では「事例検討」、架空の(画像にある氏名は、あくまで【架空】です!)親子・家族関係の中で起こりうる困りごと、そこでどのように同制度を契約・活用し、課題解決に繋げたかを説明していただきました。
また近年、「成年後見支援センター」を周辺市町村ではいち早く立ち上げ、同制度に取り組んでいる三種町社協のスタッフさんからもこれまでの事例を紹介していただくなど、非常に具体的な意見交換のひとときとなりました。
ご参加いただいた方から、「せっかくこういう制度があるのなら、一般の住民向けにもっと周知徹底すべきだ」とのお声が寄せられ、成年後見制度への理解と重要性が深まったものと感じられました。
今回のセミナーは単に「成年後見制度を学ぶ」というより、同制度を通じて自らの、あるいは大切な人の「生老病死」を見つめ直すことであると、あらためて思います。
たいへん分かりやすく貴重なお話をいただいた石岡先生、またご多用の中ご参加いただき実践の中での事例をご紹介いただいた三種町社協の小松さん、小野さん、また各地の社協関係者やご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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5月13日、藤里町地域おこし協力隊とのコラボ企画「カフェ寺スwithビハーラカフェ」が、藤里町宝昌寺山門そばにて行われました。コロナ禍で人々の交流が途絶えつつある状況に際して、今年は県北各地の地域密着で行われている中小のカフェ・サロンと連携してみようとの試みで、その第一弾です。

藤里町の地域おこし協力隊によるキッチンカーの協力を得て、昨年から宝昌寺山門そばにて「カフェ寺ス」と称して、密を避けつつ屋外にて住民同士の交流の場が持たれています。

今回は中嶋美枝子・ビハーラ秋田副代表(北秋田市民病院看護副部長)による“あおぞら講話”として、「こころの健康を保つために大切なこと」と題してのお話を伺いました。
コロナ禍やウクライナ情勢などの報道により気が滅入る人々も多い昨今、“こころの健康”を保つために(食事から得られる)栄養・睡眠・呼吸・笑うこと、そして適度な運動といった点を挙げ、それぞれの具体的なポイントについてユーモアを交えながらのお話でした。
「朝起きて 調子いいから 医者に行く」
「インスタ映え 新種のハエかと 孫に聞き」
などの「シルバー川柳」では皆さん大笑いし、ペットボトルを活用したお手製マラカス?で歌に合わせてリズムを取るなどの運動で、楽しく過ごしました。
また家族の介護にまつわる質問や意見交換なども為され、「楽しくためになるお話を聞くことができました」との参加者の感想が聞かれました。

藤里町地域おこし協力隊の関口さんが一杯ずつハンドドリップで淹れるコーヒー、遠路男鹿からお越しの菅原さんから差し入れとしていただいた手作りのマドレーヌなど、どれもおいしいと大好評でした。
お天気が心配でしたが、このカフェ開催の時間帯はどうにか持ってくれて、お昼頃には陽が差し込み、まさに“あおぞら講話”!
軽く汗ばむくらいの初夏のような陽気の中、和やかで有意義なひとときを過ごすことができました。
藤里町内外からご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

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