2013 11/14

日時:10月31日(木) 午後6~8時
会場:浄運寺様 (北秋田市米代町2−36) 電話 0186-62-2421
※入場無料

演題:「水害からいのちと暮らしを守るために~H19 北秋田水害を振り返って~」
講師:松浦 篤氏(北秋田市社会福祉協議会)

会場:浄運寺様

10月31日、浄運寺様 (北秋田市)を会場に「水害からいのちと暮らしを守るために ~H19 北秋田水害を振り返る~」と題して、講師に松浦 篤氏(北秋田市社会福祉協議会)をお招きしてセミナーを行いました。

講師の松浦氏

東日本大震災の支援活動に微力ながら関わってきた当会としては、尊いいのちを犠牲にしながら得た被災地での貴重な教訓を、私たちの身近なところでも生かしていかなければと感じていた昨今です。特に今年は台風の当たり年とも言われ、県内はもとより全国各地で台風や豪雨による被害が相次いでいることから、「水害」についてあらためて考えようと今回の企画となりました。
そこで、6年前の北秋田水害で被災住民として、また社協職員として支援活動の最前線で 尽力された経験から、また近年の災害現場にも出向かれた松浦氏のお話を伺いました。

当時の写真より

「被災者責任」という言葉を紹介され、被災の経験を他の地区の方々に伝えていく役割があるのだという責任を自ら感じて今回の講師をお務めいただいたお話は、

・一見した天気と被害の状況は必ずしも一致しない。雨は降っていたが、地元の新屋敷地区(昭和47年にも水害)の見回りで手一杯、阿仁前田地区がまさかあれほどの被害になっていたとは、隣の集落ながら翌朝まで分からなかった。
・この水害では2人が死亡、川があふれ車ごと流されたことによる。車が冠水するような事態では、車から出た方がいのちを守ることになる。
・県内初の災害ボランティアセンター(以下、VC)立ち上げ、地元社協としては不安でいっぱいだったが県社協、日本財団、県外の経験豊富な災害ボランティアに助けられ活動を開始。十日間で延べ1,268人が活動に参加してくれた。
・目に見える箇所だけでなく、床下の泥を放置するのは家を傷め衛生面で悪影響が出るため、床板をはがしての泥撤去が必要など、県外Vからの助言が有効であった。
・災害VC立ち上げや閉鎖の時期など、反省や課題も多々見られた。閉鎖後も居残って作業に従事してくれた栃木からのボランティアKさんなど、多くの県外ボランティアに助けられた反面、市内の他地域の住民の関心度は今一つであったことは悔いが残る。その中でも、鷹巣地区の婦人団体から大量のタオル提供、「いくらあっても助かる」とは被災住民の声。

・その後も高齢者のお買い物支援や洗濯機の設置など生活支援に重点を置いた活動を行った。この時もタイミングと支援策のマッチングの難しさを実感。
・水害から2ヶ月後の「激励落語会」、一発勝負型のイベントで終わらず、自治会・商店会・まちおこしグループ・ボランティア団体・「火まつり太鼓」郷土芸能団体など、地元の各種団体が結束したことに意義があった。
・その後も阿仁前田自治会は緊急時の連絡体制を確立、自治会あげての避難訓練を実施するなど、日頃からの備えを心がけるようになった。

といったお話に、来場の皆さんは熱心に耳を傾けておられました。