2023 11/19

チラシ入稿確認用表

「ビハーラ秋田 結成31周年記念公開講座」
無事に円成いたしました。連日の雨が開場直前に晴れ間も見えたとはいえ、お足もとの悪い中ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

はじめに当会の31年間の活動をスライドショーとしてご覧いただきました。
代表の新川によるあいさつに続いて、講師のカール・ベッカー先生(京都大学・政策のための科学ユニット特任教授)により「愛する人が他界したら… ~死別の悲嘆とグリーフケアを考える~」と題してご講演いただきました。

死別の悲嘆による影響は、情緒的な面だけでなく医療や福祉にかかる負担を増大させること、経済的な損失をも生じかねない事態にもなり得るという調査結果も見られます。また全国の葬儀社を通じての遺族のアンケート調査によると、葬儀にまつわる何らかの不満が、後に医療機関の受診機会や投薬の増加にまで変化が見られ、故人に対して満足のいくお見送りが出来たことによってその後の身心を健康的に保つことにもつながるとの指摘は興味深いものでした。
コロナ禍以前から、いわゆる「家族葬」、お葬式の過度な縮小傾向が見られていましたが、それが遺された人々の健全な立ち直りにはマイナス要素にもなり得るという傾向も見られるとのこと。コロナ禍のため多くの参列者を招くことが出来なかった時期は致し方ないとはいえ、この傾向が今後も継続されるのは由々しき事態ともいえます。儀式や瞑想、読経などによる悲嘆を軽減する効果にも触れられ、また中陰供養など時期ごとの供養の場で人々が集い、お茶を飲んだり会話することで死別の立ち直りを支える重要性など、古来からの宗教文化の大切さを熱っぽく語っていただきました。
ご来場いただいた多くの方々も頷きながら熱心に聴き入っておられ、ご自身の体験と重ね合わせながら耳を傾けていらしたことでしょう。
今企画に際してご後援いただいた各団体の皆様、ご協賛ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

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ビハーラ秋田 結成31周年記念公開講座

愛する人が他界したら…
~死別の悲嘆とグリーフケアを考える~

日時:令和5年11月19日(日). 午後1時開場・1時30分開演
参加無料
会場:北秋田市民ふれあいプラザ コムコム 多目的ホール 秋田県北秋田市花園町10-5
(施設内託児可能 要事前申請「ねまーる広場」0186-84-8560)

講師:カール・ベッカー氏

アメリカイリノイ州出身。ハワイ大学イースト・ウエスト・センター大学院哲学研究科修士 課程を修了、同大学院哲学研究科博士課程を修了、博士号を取得。 南イリノイ大学哲学科助教授等を経て、京都大学教養部助教授、同大総合人間学部助教授・ 教授、同大学院人間・環境学研究科教授、同大こころの未来研究センター教授などを歴任。 2017 年より京都大学政策のための科学ユニット特任教授に就任。 著書・共著に『愛する者は死なない 東洋の知恵に学ぶ癒し』『愛する者の死とどう向き合 うか 悲嘆の癒し』(共に晃洋書房)『生と死のケアを考える』(法藏館)など多数

※当講演は日本語でお話しされます

後援:
北秋田市 / 北秋田市社会福祉協議会 / 北秋田市ボランティア連絡協議会
北秋田虹の会 / 秋田県看護協会 / 大館北秋田医師会
㈱ジェイエイ大館・北秋田葬祭センター / 日本BBS連盟能代地区
秋田魁新報社 / 北鹿新聞社 / 北羽新報社 / 秋北新聞社
浄土宗秋田教区 / 臨済宗妙心寺派東北教区第二部宗務支所
日蓮宗秋田県宗務所 / 曹洞宗秋田県宗務所
曹洞宗秋田県第9・10 ・11・18教区 / 秋田県曹洞宗青年会


「ビハーラ秋田  結成31周年記念公開講座」
開催にあたって

ビハーラ秋田代表 新川泰道

これまで当会は、仏教(超宗派)の立場から終末医療や高齢者福祉、尊厳死、脳死・臓器 移植、自殺、自然災害など“いのち”に関わる現実的な問題を、医療者や福祉関係者、およ びそれらに関心のある一般の方々と共に考え、実践してまいりました。
病気や事故、自死、自然災害などで大切な人との別れを経験した方への「グリーフ(死別などの悲嘆)ケア」も、私たちにとって重要な課題でした。
更に近年は「コロナ禍」により、会いたい人、会うべき時に会えないといった状況も度々 だったことでしょう。大切な人との別れ、お見送りが望ましい形でなかった時に心身への影 響は後々に現れるとの指摘もあり、それらは個人の問題でもあると同時に社会的な損失にもなり得ます。
医療と宗教の関係やグリーフケア、傷ついた人々の癒しに関して、これまで貴重な提言を なさってこられたカール・ベッカー先生をお招きし、私たちは大切な人との関係性とその死 別体験がどのような経過を辿るのか、そしてより望ましい看取りやお見送りとはどういうものか、コロナ禍を経ていま一度、多くの方々と共に考えていきたいと存じます。皆様のご来場をお待ちしております。