2024 3/14

433108297_395191296482194_3591805039293919347_n

珠洲市に入って、応急処置済みとはいえ起伏や凹凸が激しい道路を抜け、全壊と聞いていたとある寺院へ。2ヶ月以上経過しながらほぼ手つかずといった光景に、ただただ胸が痛みます。
珠洲市社協および災害ボランティアセンターに立ち寄ると、昨年の秋田豪雨災害でもご尽力いただいたBIG UP石巻代表の阿部さんとご対面、藤里町社協から陣中見舞いとして預かった「白神まいたけキッシュ」等の詰め合わせを珠洲市社協の塩井事務局長にお届け、現地事情を伺いました。
前日、門前でもニアミスの秋田県キッチンカー協会ご一行は「道の駅すずなり」で300食のきりたんぽ炊き出しだそうで、我々が到着時には既に道の駅を発った模様、同じきりたんぽでもプロの皆さんがどんな感じで提供されているのか参考にしたかったのですが、結局2日間とも炊き出しの現場は見れずじまい…。

433135313_395189019815755_3919972827007178262_n

その後、炊き出し会場の大谷小中学校へ、市の中心部から半島先端の裏側である大谷地区へ向かうには、国道が通れず迂回路がけっこうな山道、午後8時以降は夜間工事で通行止めとなるため早めの撤収と帰路に就くことが必要です。
同校に到着、提供場所を確認すると「ランチルーム」で住民が揃って食するスタイル。日頃は同避難所で調理担当の加藤さん(近隣でレストランを営む)に水回りや使用可能な機材等を確認。当初100食程度と聞いていたがこの日の避難所在籍者は37名、近隣の集会所などから集まる住民もいるので最大60食程度でいいのではとのこと。
通常は夕食が午後6時提供開始だが、夜間工事の通行止めを気にかけてくれて午後5時30分提供開始、最初はご高齢の方や子供達から順次サービス、徐々にお勤め帰りの方などもテーブルに。
ここでもきりたんぽは「初めて食べた」という方がほとんど、多めに作っていたが約20名以上の方がおかわりを希望、ほぼ残さず召し上がっていただきました。
また「いぶりがっこ」も概ね好評で、多くの方から「おいしかった」との言葉をいただきました。

学校の避難所といっても、前日の各教室で食べるスタイルとこちらのように老若男女が大勢で食するスタイルと、それぞれ一長一短があります。衛生面への配慮やプライバシー確保も重要ですが、アットホームな雰囲気とワイワイガヤガヤと食事することでの精神衛生上のメリットもまた大きいと思われます。
急遽使わずに残した業務用真空パックの「比内地鶏」は、加藤さんが「野菜類のストックはあるが肉類は調達が難しいのでありがたい。明日以降のメニューで使います」とのこと、片付けを終えて同校を出発しました。

珠洲市は地震被害も甚大ですが、広くて奥が深い能登半島の先端のまちでアクセスの困難さから支援の手が伸びにくいというのも、実際に走ってみて感じます。
スケジュールの都合上、短時間での滞在でしたが機会を見て珠洲市にもまた足を運びたいと考えております。

4月以降も微力ながら支援の一端に加わっていきたいと思っています。
関係各位の皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。

2024 3/13

お彼岸前の3月12~14日、今回の地震で3度目の能登入り。今回もきりたんぽ炊き出し行ってまいりました!
東京・埼玉から参加の浅野幸子氏、高橋康次郎親子と合流、一路門前へ。今回もシャンティ国際ボランティア会が拠点とする禅の里交流館でお世話になります。
433104875_395182399816417_5250417912810965661_n
総持寺祖院門前通りにある洋品店・シモグチに寄り道、店主は門前町観光協会会長として、地域の再興に向けてご尽力されているのに加えて、地震発生直後からYouTubeにて門前のリアルな現実を発信されています。
https://www.youtube.com/@SIMOJUGO
現在、今月24日に開催の「雪割草まつり」成功に向けて奔走中、盛会を祈ります。
https://notowajima.jp/info/yukiwarisoumatsuri/

奇遇にも、秋田県キッチンカー協会のメンバーも同じくきりたんぽの炊き出しに!しかもルートまでこの日の門前、翌日の珠洲と同じ行程で、まさか能登で2日連続のきりたんぽかぶり…。飲食のプロの方々の炊き出しには参考になる点も多々あるかと思い、見学に行きたいのはやまやまでしたが提供時間が重なり、我々が担当する門前西小学校避難所へ向かいます。
ここは他団体の炊き出しがあまり来ていないとのこと、ふだん食事係を担当する地元の女性達の顔にも疲労の色が伺えます。
一時は300人ほどの避難者でごった返していたそうですが、二時避難や転居などにより現在は60人ほどが滞在、おかわり分を含めて100食程度を仕込みます。
過去2回のきりたんぽ炊き出しに同行の全国曹洞宗青年会副会長・高柳龍哉師(秋田市)も、既に手慣れた様子で仕込み作業、たいへん心強いです!
今回もきりたんぽには鍋谷うどん謹製の「能代うどん」を、横手市平鹿・國安さん謹製の「いぶりがっこ」をフタ付きカップで添えて…。
午後5時、配食開始。こちらは6,7人分を各教室ごとに運び食するというスタイル、直接食べられる様子は伺えませんでしたが、ひととおり配食が済んで調理係の女性達と一緒に食べながらしばし懇談、ほとんどの方が「きりたんぽは初めて」だったようで、概ね好評でした。
断水の長期化、避難所での食事係担当をいつまで続けるのかといった先の見えない苦悩は深く、それでも明るく振る舞い協力し合っている姿には敬服します。

433100988_395162029818454_6745952840490472984_n

433094216_395187423149248_6715954839031820401_n

翌朝、これまで入口付近で遥拝くらいはしてましたが3度目の門前にして今回、初めて総持寺祖院の内部までしっかりお参りさせていただきました。
高島副監院さんより丁寧にご案内いただき、中庭にある両手を拡げても届かないくらいの大きな石の句碑が、地震で180°回転したとのこと。あまりに見事な?半回転で、もともとこういう配置だったのかと思うくらい…。
今回の被害の状況と、前回の地震からの再建で行った、曳家の技術を用いた太祖堂、仏殿や山門の修復と耐震補強により、今回の地震で一見被害は甚大ながら主要建物が大規模な損壊にまで至らずに済んだとのこと、また五院輪住制度の背景、祖院や門前町周辺の歴史と文化など、非常に感銘深いお話を伺いました。特に瑩山禅師の霊廟である伝燈院が小規模の破損はあるものの、概ね無事に残っています。祖院を祖院たらしめているのも、この場所があればこそ。
前回の地震からようやく再建して間もない今回の地震に「またかよ…」って気分になりそうなものですが、何年かかっても祖院が再々建されることを期待します。

この日の午後は、初の珠洲市へ。

2024 2/20

428647895_382826497718674_5241488896650507916_n
428623808_382826571052000_2038387568918251899_n

未だ断水が続く輪島市門前町では、炊き出し後の洗い物もひと手間かかります。
集会所などの調理場をお借りできる場合もありますが、洗い物は屋外でとなると前晩は暗く十分に洗えなかった大きな寸胴鍋は翌朝、給水タンクを用いながら。

今後の食事提供に活用を計画中の某施設での片付け・掃除に少しばかりお手伝いした後、前回は立ち寄れなかった輪島市中心部に回り道。
ニュースでも度々目にする倒壊したビルや朝市通りの無惨な光景を目にして、更に被害の大きさを実感。立ち寄りたかった輪島塗のお店は、店主が金沢に二次避難中とのことで会えずじまい。
その後、半島の反対側になる能登町へ。こちらも被害は甚大です。道路は応急処置も進んでますが、段差も多く慎重に運転。

海に近い高台にあるOPEN JAPANのベースへ。
同団体は一昨年の五城目町や上小阿仁村、昨年の秋田市などでの豪雨災害で長期にわたって秋田県内でもご尽力いただきました。その際に活動されていたスタッフも、現在は能登の最前線で奮闘しています。
更に大学生など若者達を受け入れ、ベースでは活気ある声で充満、昨年の秋田豪雨災害でも活動に参加したという秋田日赤看護大の学生も!今回のきりたんぽ鍋炊き出しにアシスタントとして、切り込みや資機材運搬など率先して行ってくれました。

今回の提供場所は2つの避難所と夜遅くまで仕事している能登町役場職員向けに手分けして3ヶ所にて合計150食、提供時間も夕方5時から3段階という少々難儀なミッション。
出来上がったきりたんぽ鍋を3つに分け各避難所へ。町の中心部から車で30分ほどの某集会所では住民さんがお待ちかね、学生達によるポップなメニューボードも設置し、到着してから最後の仕上げ・セリを軽く煮込んで、食事場所や寝床も一体化した大広間できりたんぽ・いぶりがっこ・平鹿のりんごを振る舞います。
ここでも「セリは根っこも…」との説明を添えて、学生達は明るくキビキビと配膳、住民さん達とコミュニケーションを取りながらひとときを過ごしました。
「薄味で汁は少なめに」という現地の助言通りの提供でしたが、皆さん汁もしっかり飲み干してくださいました。

続いて能登町役場へ、午後7時過ぎでもまだ仕事中の職員さんも多く、最初の提供は7時半頃、徐々に職員さん達が並びます。
ここでも「きりたんぽは初めて、遠くからありがとうございます」との声をいただくも、終盤ではきりたんぽが煮詰まって汁気がなくなり、少々不本意なクオリティに…。現場で急遽スープを追加作成するも、提供のピークは過ぎてしまいました。あらかじめ別鍋でスープを多めに用意すべき点が大いに反省です。
それでも帰りがけに多くの職員さんから「おいしかったです」との言葉をいただきながら撤収、ベースに戻った頃には9時近くに。3ヶ所に分かれての総勢20名近い若者達が要所要所で自主的に動いてくれて、大いに助かりました。ありがとうございます!

あらためて思うのは、前日ご一緒した都立大の佐藤くんも含め、被災した地域に若者達の力は重要です。県公認の、いわゆる「一般ボランティア」は金沢から大型バスにて日帰りで短時間の活動しかできずにいる現状から、受け入れ体制には限りがありますが現地滞在型で、なるべく長期の活動できる人材がもっと必要です。大学生が春休み期間中の今こそ、そのような状況が整うことが望まれます(阪神淡路の頃のSVA拠点のような…)。
できることなら秋田からも多くの若者達に能登の現場を体感してもらい、その経験を持ち帰ってもらいたいものです。

2日間で合計350食分のきりたんぽ食材や支援物資など、今回も無償または格安にて食材提供・調達にご協力いただいた皆様、ありがとうございました!
飯坂幹男さま(藤里町) 白神ねぎ沢山
池田泰久さま(乳頭温泉郷 有限会社黒湯温泉会長)下着・靴下類沢山
いとくデリカさま(大館市) きりたんぽ真空パック・比内地鶏真空パック沢山
國安大智さま(横手市) いぶりがっこ沢山
産直あさひ会さま(藤里町) 藤里産マイタケ沢山
鈴木康子さま(和テンション株式会社 代表取締役社長)平鹿りんご・生理用品沢山
なべや製麺さま(能代市)能代うどん沢山
藤里町社協さま 白神まいたけキッシュ・ブラウニー沢山
若泉裕明さま(東電化工業株式会社 代表取締役社長)下着・靴下類沢山
※50音順

会員内外の皆さまによるご支援(活動資金への御援助や食材・支援物資提供、資機材の貸し出しなど)、また次回は一緒に活動したい!という方も歓迎します。お気軽にご連絡お寄せください。

■活動資金へのご協力いただけます方は
 郵便振替 02580-5-50937 口座名 ビハーラ秋田
 (通信欄に「能登半島地震支援」とお書き添えください)

« Previous Entries