珠洲市に入って、応急処置済みとはいえ起伏や凹凸が激しい道路を抜け、全壊と聞いていたとある寺院へ。2ヶ月以上経過しながらほぼ手つかずといった光景に、ただただ胸が痛みます。
珠洲市社協および災害ボランティアセンターに立ち寄ると、昨年の秋田豪雨災害でもご尽力いただいたBIG UP石巻代表の阿部さんとご対面、藤里町社協から陣中見舞いとして預かった「白神まいたけキッシュ」等の詰め合わせを珠洲市社協の塩井事務局長にお届け、現地事情を伺いました。
前日、門前でもニアミスの秋田県キッチンカー協会ご一行は「道の駅すずなり」で300食のきりたんぽ炊き出しだそうで、我々が到着時には既に道の駅を発った模様、同じきりたんぽでもプロの皆さんがどんな感じで提供されているのか参考にしたかったのですが、結局2日間とも炊き出しの現場は見れずじまい…。
その後、炊き出し会場の大谷小中学校へ、市の中心部から半島先端の裏側である大谷地区へ向かうには、国道が通れず迂回路がけっこうな山道、午後8時以降は夜間工事で通行止めとなるため早めの撤収と帰路に就くことが必要です。
同校に到着、提供場所を確認すると「ランチルーム」で住民が揃って食するスタイル。日頃は同避難所で調理担当の加藤さん(近隣でレストランを営む)に水回りや使用可能な機材等を確認。当初100食程度と聞いていたがこの日の避難所在籍者は37名、近隣の集会所などから集まる住民もいるので最大60食程度でいいのではとのこと。
通常は夕食が午後6時提供開始だが、夜間工事の通行止めを気にかけてくれて午後5時30分提供開始、最初はご高齢の方や子供達から順次サービス、徐々にお勤め帰りの方などもテーブルに。
ここでもきりたんぽは「初めて食べた」という方がほとんど、多めに作っていたが約20名以上の方がおかわりを希望、ほぼ残さず召し上がっていただきました。
また「いぶりがっこ」も概ね好評で、多くの方から「おいしかった」との言葉をいただきました。
学校の避難所といっても、前日の各教室で食べるスタイルとこちらのように老若男女が大勢で食するスタイルと、それぞれ一長一短があります。衛生面への配慮やプライバシー確保も重要ですが、アットホームな雰囲気とワイワイガヤガヤと食事することでの精神衛生上のメリットもまた大きいと思われます。
急遽使わずに残した業務用真空パックの「比内地鶏」は、加藤さんが「野菜類のストックはあるが肉類は調達が難しいのでありがたい。明日以降のメニューで使います」とのこと、片付けを終えて同校を出発しました。
珠洲市は地震被害も甚大ですが、広くて奥が深い能登半島の先端のまちでアクセスの困難さから支援の手が伸びにくいというのも、実際に走ってみて感じます。
スケジュールの都合上、短時間での滞在でしたが機会を見て珠洲市にもまた足を運びたいと考えております。
4月以降も微力ながら支援の一端に加わっていきたいと思っています。
関係各位の皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。
赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」(ボラサポ)の助成金により活動しています。